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いつまで働くか

   2025.03.13 (木) 7:04 AM

・若い時には、こんなに忙しいのはたまったものではない。年を取ったら、早々に引退して、好きなことをやって、悠々自適の生活をしたい、と言う人が多かった。

・当時の先輩で、50代で早々と引退した人がいた。もう仕事は十分した。趣味のゴルフをやって、ゆっくり過ごしたいと言った。

・数年して会ったら、趣味で暮らすのが面白くない。生活に張りがないので、また働きだしたという。仕事をしている時には、趣味が楽しかった。趣味だけにしたら、楽しくなくなった。なぜだろうか。

・1つの解釈は、その趣味が本人にとって本物でなかった、ということであろうか。仕事というのは、いやなことでも、気が向かなくても、やるべきことはしっかりこなす必要がある。一定の成果を上げることも求められる。できない時は焦燥感が高まり、うまくいったとしてもストレスが溜まることが多い。

・そのストレスを発散するための趣味であったとすると、仕事が亡くなった時には、趣味の役割や位置づけも変わってしまう。

・一方で、本物の趣味を追求している人もいる。本気で取り組んでいると、3年もやっていると、その道では達人となってくる。没入して、自分なりに納得感が出てくると、楽しくなる。まして、仲間の中で存在感が出てくれば、こんなにうれしいことはない。

・いつまでも働きたいと思う時、その理由は何であろうか。経済的に働く必要があるとなれば、仕事の中身よりは、金銭的な収入の方が優先しよう。その場合、仕事の内容に不満があっても、自分ができることで受け入れてもらえるなら、それが働く動機となる。

・自分でなくてもできる仕事なら、いずれ交替を余儀なくされよう。使う側は、もっと元気な人の方がよいかもしれない。今やっている仕事が臨時的なものであれば、いずれなくなってしまうかもしれない。

・そこで、次の仕事を探すことになる。こうした連続で、60代、70代と働き続けられるだろうか。それでも何か仕事はほしい、というのが切実な気持ちであろう。

・仕事については、常に、①今何をやりたいか、②今何ができるか、を両面から考えておく必要がある。まずその分野で、自分はプロなのか、アマチュアなのか、を認識しておきたい。プロとは、何らかの領域でしっかり金を稼ぐことができる。アマチュアとは、プロにはなりきれず、何らかの仕事のアシスタントとして、そこそこの役割を果たすことにとどまる。

・正社員なのか、臨時社員(パート・アルバイト)なのか。ぜひ正社員になりたいのか。さまざまな都合で臨時社員の方を選んでいるのか。正社員でもいつまでもアマチュアレベルの人がいる一方で、臨時社員でも特定の仕事でプロ並みの力を発揮している人もいる。

・プロでもアマチュアでも、その仕事をこなす能力は、別の会社に移ってもすぐに発揮できるのか。別の会社に移ってしまうと、今の能力がすぐには発揮できないのか。これによって、自らの能力の専門性が分かる。

・その会社でしか通用しない能力をスペシャリスト、別の会社にいっても十分力が発揮できる能力がジェネラリストである。ふつうと反対ではないか、と受け止められるかもしれないが、この見方が妥当であろう。

・とすると、学びながら、経験を積みながら、自らの能力を高めていく必要がある。能力には、高まる能力もあれば、低下する能力もある。新しいスキルを身に付けたくても、年齢とともに難しくなることも多い。

・体力や記憶力は高齢になると、一般的には落ちてこよう。それでも、あきらめないで、やる気をもって、絶えず努力することが必要である。健康であれば、気力をもって挑戦することができよう。

・健康に不安がある時には、まずは健康一番、その上で自分なりにできることを考えていかざるを得ない。病気の時は、誰かに頼るしかない。その時は感謝の気持ちをもちながら、大いに頼ってよいと思う。

・仕事に楽な仕事はない。あまり楽な仕事はきっと楽しくない。逆に、できそうもない仕事を求めても、苦しいだけで、やりがいも生まれないであろう。

・では、何をやっても不満だらけになるではないかというと、そうでもない。むきにならずに、そこそこできる仕事に取組みながら、人や組織とのつながりを深めたり、広げたりしていくことに力を入れたい。

・世は人手不足である。AIやロボットがますます仕事の効率化を進めていこう。人手がいらなくなる職種も増えてこよう。これから30年、大きなイノベーション(新しい仕組み革新)が進展しよう。でも、人手を必要とする隙間領域は多種多様にいくらでもあろう。

・70歳まで働くことは当たり前になりつつあるが、その次の10年、80歳まで働くことをイメージしたい。元気な人は85歳でも90歳でも働いている。自分なりにできる仕事を見い出して、熱心に取り組んでいる。

・そこから多少とも収入を得ている。それが社会的に何か貢献できることであれば、コツコツの中に楽しさも内在していよう。これが元気のもと、長生きのコツとなる。

・私は、60歳で会社を定年となった時以来、独立して証券アナリスト業務を続けてきた。今年から後期高齢者に入る。健康に不安もあり、体力は少しずつ落ちている。

・今までのようにはいかないが、もうしばらくは続けようと思う。そろそろと思いながら、まだまだと励まされ、それでは頑張ろうという気持ちである。

・プロの投資家としては、できるところまで続けたい。但し、人に迷惑はかけたくない。少しでも社会に貢献したい。5年単位でものを考えるのが丁度よさそうである。

・2050年を見据えながら、当面は80歳まで働いてみようと決めている。仕事と趣味がかなり重なっているので、都合がよい。もうしばらくお付き合いを願います。

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