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新しい働き方~非接触型ワークライフバランス

   2020.05.31 (日) 12:27 PM

・新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)で、生活は様変わりしている。密閉、密集、密接を避けて巣ごもりを強いられた。収入が入らない、ストレスがたまる、仕事が進まない、家族間がギクシャクするなど、大きな弊害が出ている。

・もうしばらくの辛抱とは、いつまでなのか。このまま解除されて行くか。ワクチンや治療薬ができれば元の生活に戻れるのか。企業もそうであるが、個人の生活も変化への対応が求められている。

・ヒトは保守的で、今までの行動を変えることを無意識に嫌がる。今まで通りの方が心地良い。しかし、命にかかわるような事態が、予想もしない状況で発生した。

・天災と人災という言葉がある。大震災や大型台風はいまだ天災としかいいようがない。今のところ人間がコントロールすることはできない。しかし、自然災害にどう備えるか。企業においてBCP(事業継続プラン)を用意することは、この10年来日本でも進んできた。

・しかし、その本気度にはかなり差がある。事業が継続できるように、データを別に保存し、オフィスを他所に用意しても、それが本当に機能するのか。グローバルサプライチェーンでつながっていると、自社の準備だけでは危機を克服できない。

・普段から準備して訓練しておくことが最も重要であるが、これには手間暇がかかる。それを余計なコストと考えるようでは、いざという時役に立たない。

・原発事故の時、整然と活動した東京消防庁、コロナウイルスに感染した客船に毅然と取り組んだ自衛隊病院など、その働きには目を見張るが、身の回りはどうであろうか。国や地方の政府に文句ばかり言っていても状況は改善しない。

・働かなくては食っていけない。地方から都会に出てきた学生は、アルバイトを前提に生活を組み立てている。これができないとなれば、都会に出てくることが難しくなる。地方にいても、同じように勉学できる仕組みが一段と強化されよう。

・バイトやパートを活用して本業を営んでいる企業は、需要がなくなったら非正規雇用を切ればよいと考えていたかもしれないが、それをやっているといい人は集まらない。

・そもそも、いい人はすでに職に就いている。一見割安に使えそうな非正規雇用にはそれぞれの事情があり、その人たちの能力は実は時給1000円ではない。人が余っている時はよかったが、人手不足の時代にパート、アルバイトに頼る本業はもはや成り立たない。新しい仕組みを作る必要がある。

・オフィスで働く人は何をしているのか。今時、パソコンに向かって仕事をしている人は家でもできるかもしれない。その場合、家での仕事環境を整える必要がある。区切られたスペースがあるならばよいが、生活感丸出しでは集中力が出ない。

・家庭で仕事をするのが当たり前という間取りが常識となってくる。当然家賃は上がる。それに見合う報酬を出せない企業はいい人がとれなくなってくる。人事評価の仕組みを変えていく動きも始まろうとしている。

・皆が同じ時間に会社に行く必要があるのだろうか、チームの作り方が変わってくる。昔ながらの上司はいらなくなる。サラリーパーソンの過去の経験が役に立たなくなってくる。誰もが新しい働き方を創って、慣れていくことが求められる。

・会議をリモートでやる。Webやテレコンでいつでもできるようになっている。では、会社の会議室、顧客の会議室に集まった時と同じようにできるか。

・国内でも海外でも、すでに遠隔地との会議が常識になっている会社は多い。いつものメンバーで、ツーカーで通じるような内容について、情報を共有して、進捗を確認するだけなら問題ない。

・新しい契約、新しいビジネスについて、重要な意思決定をする。その準備の会議となると、リモートではスムースにいかない。それを家のリビングから参加するというわけにはいかない。守秘義務上、個室や書斎が必要であり、リモートオフィスを別に用意するニーズも高まろう。

・オフィスも狭い大部屋では無理が生じる。一定クラス以上には個室を用意できるだろうか。通常のワーカーにも、仕切りのある大きめの机を用意できるだろうか。

・30年前、現役のアナリストであった頃、日系企業のアナリストは大部屋でアシスタントも数人に一人であった。外資系証券会社のアナリストは個室で、アシスタントも一人に一人ついていた。何が違うのか。生産性が違う。働き方、働く中身、働くスペースについても見直す必要がある。

・今回の在宅勤務で多くの人が気付いたが、改革をできるだろうか。コストがかかってできないという企業に人は集まらなくなる。今はコロナショックの直撃で、瀕死の状態に追い込まれているが、2年後に一息ついたとしても、その後の社会においては、サステナビリティがもう一度問われよう。

・人と人が関わる社会であるから、大事な場面ではface to faceがものをいう。しかし、通常の生活や働く場面においては非接触ですむことも多い。インフォーマルな情報交換はどうしたらよいのか。新しいチャットの仕組みはこれからも大いに広がってこよう。

・非接触といっても、よく知らない人の情報は鵜呑みにしないことである。世の中にはますますいい加減な情報やデータがあふれてくる。確かめるには、発信者の人となりをよく知ることである。

・コロナショックは全治3年、でも前の生活は戻ってこないと考えて、新しい生活、新しい働き方を自ら実践したいものである。同時に、それをリードする企業に投資したい。

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