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プロとアマの違い

未分類   2014.09.29 (月) 7:58 PM

・ プロとアマの違いはどこにあるのだろうか。かつて聞いたことがある。アマチュアとは、頭と体と時間を使って、お金を払う人。プロフェッショナルとは、頭と 体と時間を使って、お金を稼ぐ人。ゴルフのプロとアマを考えると、その通りである。プロは賞金を稼ぐために必死になるが、アマは休日の楽しみとしてお金を 使っている。但し、接待ゴルフはビジネスをスムースに遂行するためのリレーションシップ作りだから、別の意味を持つかもしれない。

・この定義に基づくと、機関投資家はプロで、個人投資家はアマであるとはいえない。頭と体と時間を使って、パフォーマンスを上げる人こそ、その道のプロと いえよう。個人投資家で、プロとして実績を上げている人は多い。反面、機関投資家でもプロになりきれない場合は多々ある。

・ ゴルフは個人技の色彩が強いが、チームプレーが求められるスポーツも多い。サッカーの岡田武史監督の話を聴く機会があった。組織で働く一員がプロになるに はどうするか。その中で、リーダーになって、指導力を働かせるにはどうするか。興味深い点をいくつか取り上げてみたい。

・サッカーでは試合が始まってから、チーム一人ひとりの動きにいちいち命令を出すわけにはいかない、選手同士が反応し合って、局面を打開して、ゴールを目指す。命令・指示されるのではなく、自分たちで自立的に動いていく訓練が必要である。

・ 試合で一番勝ちたいと思っているのは誰か。それは監督である。選手ももちろん勝ちたいが、監督ほどではないかもしれない。企業でいえば、社長は何としても 稼ぎたいと思っていても、社員はそれほどでもないという場面はよくある。つまり、自分で考え、自分で責任をとるような訓練と仕組みを、その組織に埋め込ん でいく必要がある。

・プロとは何か。効果が出るまで練習して、それを自己管理するのがプロである、と岡田氏はいう。トレーニングをして、きちんと能力を高めていく。自己管理できずに、サボったり、オーバートレーニングになったりしては、今持っている能力もあっという間に劣化していく。

・また、運を掴むのも実力である。運は誰にでもある。それを掴むかどうかである。そのためには、細部にこだわることであるという。自分一人くらいなら、この程度でよい、という甘さが運命を分ける。小さいことにこだわり、うるさくないと実績は出てこない、という意味である。

・ サッカーではゴールを決まった時が最高に嬉しい。このゴールの喜びを味わうには、全員がそれぞれの持ち場で、リスクをとる必要がある。リスクをとらなけれ ば、チャンスは生まれない。しかし、リスクをとる行動には責任が伴う。失敗した時の打撃を考えると、尻込みしてしまうかもしれない。しかし、リスクをもの にするだけの訓練を積んで能力を磨き、これはと思う瞬間に勝負しなければ、ゴールの喜び、つまり試合を楽しむことはできない。

・ 岡田氏は、強風の中でリフティングの練習をさせるという。足でボールを蹴って、それを連続してキープするのである。選手からは、風が吹いていてコンディ ションが悪い、こんな中では練習にならない、という声がよく出てくる。それに対して、快適な環境で練習しても、それでは本当の実力にはならないと戒める。 自分にとって、都合がよくない状況でも、いかに実力を出すかが問われるので、悪環境をものともしないことが大事である。

・ 実力は一直線にはついてこない。進歩は波を打って上がっていくので、スランプや力がでない時に、どう考えるか。これまでできたことが、できなくなることが ある。ここで落ち込んではならないという。次の高い目標に達するための準備期間だと思って、集中してベストを尽くすべきであると強調する。

・サッカーチームに30人 が集まれば、その中に、仲のよくない連中が必ず出てくる。さてどうするか。プロは目的のために働く。仲が悪くてもかまわないという。仲の善し悪しでなく、 仲が悪くても互いを認め合うことであると強調する。認めてもらうためには努力を要する。それがコミュニケーションであるから、まずは挨拶せよという。挨拶 は、自分がコミュニケーションをとる準備ができているというシグナルとなる。互いの良いところを認め合うことが本質である。

・サッカーは11人しかピッチに出られない。日本代表は23人 である。どうやってメンバーを選ぶのか。選ばれなかった人は、悔しい思いをする。監督を恨む選手も出てくる。その選抜にあたっては、志の高い山に登ると決 めて、私心なく腹をくくることである。覚悟を持って責任を負うことにつきる、と岡田氏はいう。何が何でも勝つための布陣を熟慮して決断する。それでも、試 合に勝てないことが多い。

・ 企業経営においても、投資の世界においても、志を高くして、プロとしての訓練を怠らずに、常にチャレンジしていくことが求められる。組織の一人ひとりにど うスイッチを入れるか。あるいは、自分自身にいかにスイッチを入れるか。岡田氏の話を聴きながら、意を強くした。子供たちも含めて、日本の将来を担う若者 に大いにスイッチが入ってほしい。そして、スイッチの入っている企業にこそ投資したい。

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